本読みました。食糧事情の話で思い出して、読み直しです。
何か大掃除のついでに物置の奥をさばくのが一部で流行っていたみたいなので乗ってみることにします。(w
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> 海底牧場 (ハヤカワ文庫SF) (文庫) アーサー・C. クラーク (著), Arthur C. Clarke (原著), 高橋 泰邦 (翻訳)
原題 THE DEEP RANGE 、Copyright 1957 となっています。スプートニクが飛んだ年、実に半世紀!前。
鯨肉とプランクトンとオキアミが食料(の原料)の 15%程度を占める近未来のお話。
邦題の「牧場」は鯨を牛に見立てたものでしょうね。 カウボーイならぬホエールボーイは、事故のトラウマで退役した宇宙飛行士です。クラーク氏曰く「宇宙空間と海は似ている」そうです。
肉ではなくて乳(鯨乳)に切り替えよう、というパラダイムシフトで一騒動と、これに関係するお偉いさんの乗った船が遭難し、救難に向かうところがクライマックスシーンですね。別に日本への当てつけという感じはしませんでした。
「・・・、誰でも菜食主義者になれるものではない、ということはちゃんと理解していて、・・・」というセリフが出てきます。
このあたりは、乳牛と肉牛とラクト・ベジタリアンとビーフステーキ好きの関係を鯨の場合にも当てはめたと云うことでしょう。
後、気になったセリフ。
「一ポンドの鯨肉を生産するために、十ポンドのプランクトンを何故浪費するのか、直接取り入れが出来るのに」
※ 作者は英国生まれ。このポンドは質量単位の方。
「われわれこそは、古い輪廻を打破して、罪なき生き物の血を流すことなしに満足できるものを食べうる、最初の世代なのです。」
これらのセリフだけを取り出してみると急進的な感じがしますが、話全体としてよく考えられた筋立てと表現になっています。合成肉が本物と見分けの付かない味でお値段も本物より安い、という舞台背景もあります。
実は 21世紀の食糧事情で問題となっているところは、すでに 50年も前に指摘されていることばかりと云うことに気づかされます。
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(図1)
海底牧場 (ハヤカワ文庫SF) 。
手元の本は、
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